エールビールとは?特徴や種類、ラガービールとの違いをわかりやすく解説!

エールビール ビールの豆知識
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Mina

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クラフトビールの奥深さにハマり、ビール検定2級取得。
好きなビアスタイルはベルジャンホワイトとヴィツェン

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ビールといえば、日本ではすっきりとした飲み口のラガービールが主流ですが、近年、クラフトビールの人気とともに「エールビール」に注目が集まっています。エールビールは、豊かな香りや奥深い味わいが特徴で、ペールエールやIPA、スタウトなど、さまざまな種類があります。

この記事では、エールビールの基本的な特徴やラガービールとの違いをはじめ、代表的な種類やおすすめの銘柄、料理との相性まで詳しく紹介します。エールビールに興味がある人や、これから試してみたい人はぜひ参考にしてみてください。お気に入りの一杯を見つけて、エールビールの魅力を存分に楽しみましょう。

エールビールとは?基本的な特徴を解説

ビールにはさまざまな種類がありますが、大きく分けると「エールビール」と「ラガービール」の2つのタイプに分類されます。エールビールは、香りや味わいが豊かで、クラフトビールの多くもこのエールタイプに分類されます。一方で、日本の一般的なビールはラガービールが中心です。ここでは、エールビールの定義と、ラガービールとの違いについて詳しく解説します。

エールビールの定義

エールビールとは、上面発酵という発酵方法で作られるビールのことを指します。上面発酵とは、発酵中に酵母がビールの表面に浮かび上がる発酵方法で、比較的高い温度(15〜25℃)で発酵させるのが特徴です。この発酵の過程で、フルーティーな香りや芳醇な味わいが生まれ、個性豊かなビールができあがります。

エールビールの歴史は古く、紀元前のメソポタミア時代から作られていたと言われています。イギリスやベルギーでは伝統的にエールビールが主流で、現在でも多くの種類が楽しまれています。近年はアメリカのクラフトビールブームの影響もあり、日本でもエールビールを楽しむ人が増えてきました。

ラガービールとの違い

エールビールとラガービールの最も大きな違いは、発酵方法です。エールビールは上面発酵によって作られますが、ラガービールは下面発酵という方法で作られます。下面発酵では、酵母がビールの底に沈み、低温(5〜15℃)でじっくりと発酵するのが特徴です。この違いによって、それぞれのビールの香りや味わいが大きく異なります。

エールビールは、フルーティーで華やかな香りと豊かなコクが特徴です。発酵温度が高いため、発酵中にさまざまな香り成分が生まれ、個性的な味わいを楽しめます。代表的なスタイルには、バランスの取れたペールエール、ホップの苦みが強いIPA(インディア・ペールエール)、焙煎した麦芽の香ばしさが特徴のスタウト、小麦を使ったフルーティーなヴァイツェンなどがあります。

一方で、ラガービールはすっきりとした飲み口と爽快なのどごしが魅力です。低温でゆっくり発酵させることで、不純物が少なくクリアな味わいになり、食事にも合わせやすいビールが多いのが特徴です。代表的なスタイルには、世界的に最も普及しているピルスナー、麦のコクが感じられるドルトムンダー、オクトーバーフェストで有名なメルツェンなどがあります。

エールビールの主な種類と特徴

エールビールにはさまざまなスタイルがあり、それぞれに個性豊かな味わいがあります。発酵温度が高いため、フルーティーな香りや奥深いコクを楽しめるのがエールビールの魅力です。ここでは、代表的なエールビールの種類と特徴を紹介します。

ペールエール

ペールエールは、エールビールの中でも最も親しまれているスタイルのひとつです。ほどよい苦みと麦の甘みのバランスが良く、飲みやすいのが特徴です。ホップの華やかな香りを楽しみつつ、すっきりとした後味もあるため、クラフトビール初心者にもおすすめのスタイルです。

代表的な銘柄には、アメリカのクラフトビールブームを牽引した「シエラネバダ ペールエール」があります。柑橘系の香りと適度な苦みが心地よく、バランスの取れた味わいが魅力です。日本では「よなよなエール」が有名で、まろやかなコクとフルーティーな香りが楽しめます。

IPA(インディア・ペールエール)

IPA(インディア・ペールエール)は、ホップを大量に使用した苦みの強いビールで、クラフトビールブームの中心的な存在です。もともとは18世紀にイギリスからインドへ輸送する際、防腐効果を高めるためにホップを多く使ったことが発祥とされています。強い苦みとともに、柑橘やトロピカルフルーツを思わせる華やかな香りが特徴で、しっかりとした飲みごたえがあります。

代表的な銘柄には、日本のクラフトビールブームを支えた「インドの青鬼」があります。ガツンとくる苦みと、ホップのフルーティーな香りがクセになる一本です。また、アメリカのクラフトビールを象徴する「ストーンIPA」は、グレープフルーツのような香りと力強い苦みが楽しめるIPAの代表的な存在です。

スタウト

スタウトは、焙煎した麦芽を使うことで、コーヒーやチョコレートのような香ばしさが特徴の黒ビールです。濃厚なコクとクリーミーな口当たりが楽しめるため、デザートビールとしても人気があります。アルコール度数が高めのものが多く、じっくり味わいながら飲むのにぴったりなスタイルです。

代表的な銘柄には、アイルランドの国民的ビール「ギネス スタウト」があります。クリーミーな泡とまろやかな口当たりが特徴で、苦みの中にも甘みが感じられるバランスの取れた味わいです。日本では「エビス プレミアムブラック」がスタウトに近い味わいを楽しめるビールとして人気があります。

ヴァイツェン

ヴァイツェンは、小麦を主原料とするドイツ発祥のビールで、フルーティーな香りとやわらかな口当たりが特徴です。バナナやクローブのような甘みのある香りが感じられ、苦みが少ないため、ビールが苦手な人にも飲みやすいスタイルです。炭酸が強めで、爽やかな飲み口も魅力のひとつです。

代表的な銘柄には、ドイツを代表するヴァイツェンビール「エルディンガー ヴァイスビア」があります。バナナのような香りと、きめ細かい泡が特徴で、まろやかな口当たりが楽しめます。日本では「銀河高原ビール」が有名で、小麦の甘みとフルーティーな香りが引き立つ、優しい味わいのビールです。

エールビールの歴史と発祥

エールビールは、ビールの中でも特に歴史が古く、紀元前から飲まれていたと言われています。現在ではクラフトビールの人気が高まり、世界中でエールビールの種類やスタイルが多様化しています。ここでは、エールビールの起源や発展、そして現代のクラフトビールシーンにおけるエールビールの位置づけについて紹介します。

エールビールの発祥と歴史

エールビールの歴史は、古代メソポタミアやエジプト時代までさかのぼります。最も古い記録では、紀元前4000年ごろにメソポタミアのシュメール人がビールを醸造していたことがわかっています。彼らは大麦を発酵させることでアルコールを作り、宗教儀式や日常の飲み物として親しんでいました。当時のビールは現在のものとは異なり、濁っていて酸味が強く、スプーンで飲まれていたとも言われています。

その後、ビール醸造の技術はエジプトへと伝わり、ピラミッド建設に従事する労働者たちにも供給されていました。エジプトではビールが貨幣の代わりとして使われることもあり、庶民から王族まで幅広く楽しまれていたようです。

中世ヨーロッパに入ると、エールビールは特にイギリスで発展を遂げました。修道院がビールの醸造を担い、ホップを加えることで防腐効果を高め、長期保存が可能なビールが作られるようになりました。この時期にペールエールなどのスタイルが確立し、パブ文化とともにイギリス国内で広く普及しました。

現代のクラフトビールシーンとエールビール

エールビールが現代のクラフトビールシーンで注目を集めるようになったのは、アメリカのクラフトビールブームがきっかけです。1970年代後半、アメリカでは大手ビールメーカーによる画一的なラガービールが市場を独占していました。しかし、これに対抗する形で、小規模な醸造所(マイクロブルワリー)が個性的なエールビールを作り始め、クラフトビール文化が生まれました。特にIPA(インディア・ペールエール)は、ホップをふんだんに使った大胆な味わいが人気を集め、クラフトビールブームを牽引しました。現在では、アメリカを中心に世界中でさまざまなIPAが作られ、クラフトビールファンの間で定番のスタイルとなっています。

日本でも、1994年の酒税法改正によって小規模なビール醸造所が設立しやすくなり、クラフトビール文化が広がりました。ヤッホーブルーイングの「よなよなエール」や、常陸野ネストビールの「ホワイトエール」など、エールビールを代表するクラフトビールが次々と誕生し、日本国内でも多くのファンを獲得しています。また、近年ではIPAやヴァイツェンなど、個性のあるエールビールが人気を集め、大手メーカーでもクラフトビールの製造に力を入れるようになりました。

エールビールの楽しみ方

エールビールは、豊かな香りや奥深い味わいが魅力のビールです。飲み方やグラスの選び方によって、その個性を最大限に引き出すことができます。また、料理との組み合わせにもこだわると、より一層美味しく楽しめます。ここでは、エールビールを美味しく味わうためのポイントを紹介します。

美味しく飲むための温度とグラス

エールビールを楽しむうえで大切なのが、適切な温度で飲むことです。ラガービールのように冷やしすぎると、せっかくの香りやコクが感じにくくなってしまいます。エールビールは常温に近い10〜15℃くらいが最も美味しく感じられる温度です。冷蔵庫で冷やしすぎた場合は、グラスに注いで少し置くことで、香りがより引き立ちます。

また、ビールのスタイルに合わせたグラスを選ぶことも大切です。IPAはホップの香りを存分に楽しめるように、香りが広がりやすいチューリップ型のグラスが適しています。ペールエールは、一般的なパイントグラスがよく使われ、飲みやすさと香りのバランスがとれます。スタウトのような濃厚なビールには、口が少し広めのグラスがぴったりで、クリーミーな泡を楽しめます。ヴァイツェンは炭酸が強めなので、専用のヴァイツェングラスを使うと、きめ細かい泡立ちとフルーティーな香りをより引き立てることができます。

エールビールに合う料理

エールビールの楽しみ方をさらに広げてくれるのが、料理とのペアリングです。ビールのスタイルによって、相性の良い料理が異なります。それぞれの特徴に合わせた組み合わせを試すことで、新たな美味しさを発見できるかもしれません。

ペールエールは、バランスの取れた味わいと適度な苦みが特徴のため、グリルチキンやハンバーガーと相性抜群です。肉のジューシーな旨みと、ペールエールの爽やかな苦みがよく合い、食事をより楽しめます。

IPAはホップの強い苦みと華やかな香りがあるため、スパイシーな料理との相性が抜群です。カレーやタコスのようなスパイスの効いた料理と組み合わせると、IPAの苦みがスパイスの刺激を引き締め、爽快な後味を楽しめます。

スタウトは、焙煎した麦芽の香ばしさとコクのある味わいが特徴です。チョコレートやデザートと合わせると、ビターな風味が甘みを引き立て、濃厚な味わいがより深まります。特にチョコレートケーキやティラミスとの組み合わせはおすすめです。

ヴァイツェンは、小麦を使ったフルーティーなビールで、白身魚やサラダとの相性が良いです。爽やかな香りと軽やかな口当たりが、さっぱりとした料理とよく合い、食事を引き立てます。特にレモンを添えた魚料理とは相性抜群です。

エールビールのおすすめ銘柄

エールビールにはさまざまな種類があり、それぞれに個性的な味わいがあります。初めてエールビールを飲む人にとっては、どれを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。ここでは、初心者でも飲みやすいエールビールと、個性的な味わいを楽しみたい人向けのおすすめ銘柄を紹介します。

初心者におすすめのエールビール

エールビールが初めての人には、バランスの取れた味わいで飲みやすいペールエールがおすすめです。適度な苦みと香りが楽しめるので、エールビールの魅力を感じやすいスタイルです。

「よなよなエール」は、日本のクラフトビールを代表する銘柄のひとつです。ほどよいホップの香りと麦の甘みが絶妙に調和し、まろやかで飲みやすい味わいが特徴です。クラフトビール初心者でも親しみやすく、食事とも合わせやすいので、最初の一本としてぴったりです。

「シエラネバダ ペールエール」は、アメリカのクラフトビールブームを牽引した伝説的なビールです。柑橘系の爽やかな香りと、ほどよい苦みが特徴で、クセが少なくスムーズな飲み口が魅力です。海外のクラフトビールを試してみたい人におすすめです。

個性的なエールビールを楽しみたい人向け

エールビールの奥深さをより味わいたいなら、ホップの香りや苦みが強いIPAや、コクのある黒ビールのスタウトに挑戦してみるのもおすすめです。

「インドの青鬼」は、日本のIPA(インディア・ペールエール)を代表するビールで、ホップの強烈な苦みとフルーティーな香りが特徴です。飲んだ瞬間にガツンとくる苦みがクセになる一本で、クラフトビールの個性を存分に楽しめます。IPA好きなら、一度は試してみたい銘柄です。

「ギネス スタウト」は、世界的に有名なアイルランドの黒ビールで、クリーミーな泡と焙煎麦芽の香ばしい風味が特徴です。コーヒーやチョコレートのような味わいが感じられ、濃厚なビールが好きな人にはぴったりです。

エールビールの奥深さを楽しもう

エールビールは、古くから世界中で愛されてきたビールのスタイルで、豊かな香りや深い味わいが魅力です。上面発酵による芳醇な香りや個性あふれる味わいは、ラガービールとはまた違った楽しみ方ができます。

ペールエールのようにバランスの取れた飲みやすいものから、IPAのようにホップの苦みが際立つもの、スタウトのように濃厚なコクを持つものまで、エールビールにはさまざまな種類があります。さらに、適切な温度で飲んだり、料理とのペアリングを工夫したりすることで、その魅力をより引き出すことができます。

クラフトビールの人気が高まる中で、エールビールを取り扱うブルワリーも増え、これまで以上に多様なスタイルを楽しめるようになりました。日本国内でも手軽に個性的なエールビールを味わえる環境が整いつつあります。

自分に合ったエールビールを見つけるためには、さまざまな種類を試してみるのが一番です。飲み比べをしながら、お気に入りの一本を探してみてください。エールビールの奥深い世界を楽しみながら、自分だけの特別な一杯を見つけてみましょう。