「クラフトビール」と「地ビール」の違いを徹底解説!

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Mina

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クラフトビールの奥深さにハマり、ビール検定2級取得。
好きなビアスタイルはベルジャンホワイトとヴィツェン

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近年、日本でも人気が高まっているクラフトビール。個性的な味わいや豊かな香りを楽しめるビールとして、多くの人に愛されています。一方で、1990年代に流行した「地ビール」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?実は、クラフトビールと地ビールは似ているようで、定義や背景には違いがあります。

この記事では、クラフトビールと地ビールの違いや、それぞれの特徴、さらにはおすすめの銘柄について詳しく解説します。どちらを選ぶべきか迷っている方も、この記事を読めば、自分にぴったりのビールを見つけるヒントが得られるはずです。ぜひ最後まで読んで、ビールの奥深い世界を一緒に楽しみましょう!

クラフトビールとは?

クラフトビールは、小規模な醸造所で造られる、職人のこだわりが詰まったビールです。一般的な大手メーカーのビールとは異なり、原料や製法に工夫を凝らし、多様なスタイルや個性的な味わいを持つことが特徴です。クラフトビールは「大量生産のビール」と対照的に語られることが多く、造り手の個性や哲学が反映される点が魅力となっています。

クラフトビールの定義

クラフトビールの明確な定義は国によって異なります。例えば、アメリカの「Brewers Association(アメリカ醸造者協会)」では、クラフトビールを以下のように定義しています。

  • 小規模であること:年間生産量が600万バレル(約70万キロリットル)以下
  • 独立性があること:大手ビールメーカーの資本が25%未満
  • 伝統的な製法を重視すること:大量生産ビールとは異なる製造方法を用いる

一方、日本ではクラフトビールの明確な定義はなく、小規模なブルワリーがこだわりを持って造るビール全般を指すことが多いです。1994年の酒税法改正により、小規模な醸造所でもビール製造が可能になり、多くのクラフトビールブルワリーが誕生しました。当初は「地ビール」と呼ばれていましたが、品質向上や市場の拡大とともに「クラフトビール」という言葉が一般的になりました。

クラフトビールの特徴

クラフトビールの最大の特徴は、多様な原料と製法を活かした幅広いスタイルのビールが存在することです。一般的なビールはピルスナータイプが主流ですが、クラフトビールではIPA(インディアペールエール)、スタウト、ヴァイツェン、サワービールなど、豊富なバリエーションがあります。ホップやモルトの使い方次第で、苦味が強いものからフルーティーなもの、甘みや酸味のあるものまで、多種多様な味わいが楽しめます。

また、クラフトビールの多くは、限定醸造やオリジナルレシピが用いられ、同じ銘柄でも年ごとに異なる味わいが楽しめることも魅力のひとつです。ブルワリーによっては、季節ごとの限定ビールや地元の特産品を活かしたビールを造ることもあり、飲むたびに新たな発見があります。

さらに、クラフトビールは伝統的なビールスタイルを守りつつも、新しい発想を取り入れることにも積極的です。例えば、日本では柚子や抹茶、日本酒酵母を使ったビールが登場し、和の要素を取り入れたクラフトビールが人気を集めています。こうした創造性こそが、クラフトビールの大きな魅力といえるでしょう。

クラフトビールは、大手メーカーのビールとは異なり、個性やストーリーを楽しむことができるビールです。どのブルワリーも独自のこだわりを持っており、それぞれのビールに造り手の情熱が込められています。多彩なスタイルを試しながら、自分にぴったりのクラフトビールを見つけてみるのも、クラフトビールの楽しみ方のひとつです。

地ビールとは?

地ビールとは、日本各地で造られる小規模醸造のビールを指し、地域ごとの特色や特産品を活かしたビールが多いのが特徴です。1994年の酒税法改正によって誕生し、日本全国に多くのブルワリーが生まれるきっかけとなりました。かつては「地域限定のビール」というイメージが強かったものの、現在では品質の向上により、クラフトビールとして国内外で高い評価を得るものも増えています。

地ビールの定義

地ビールの始まりは、1994年の酒税法改正によるものです。それ以前は、ビールの製造免許を取得するために年間2000キロリットル以上の生産が必要でした。しかし、改正によってこの基準が60キロリットルまで引き下げられたことで、小規模ブルワリーの設立が可能になり、全国各地で地ビールが誕生しました。

地ビールはその名の通り、特定の地域で造られ、その土地ならではの原料や水を使用することが多いのが特徴です。例えば、北海道ではラベンダーやハスカップを使ったビールが造られ、長野ではリンゴを活かしたビールが生まれるなど、地域ごとの特色を活かしたビールが展開されています。当初は「地域限定の観光向けビール」というイメージが強く、地元の特産品を使ったユニークなビールが多く見られました。

しかし、地ビールのブームが落ち着くとともに、一部の地ビールは品質が不安定だったことや、大手ビールと比べて価格が高かったことから、衰退していきました。その後、クラフトビールブームの到来により、技術が向上し、現在では「地ビール=品質が低い」というイメージは払拭され、高品質なビールが多く造られるようになっています。

地ビールの特徴

地ビールの最大の特徴は、地元の素材や水を活かしたビール造りです。ブルワリーごとに独自のレシピや製法を採用し、地域の文化や風土を反映したビールが生まれています。例えば、名水が湧く地域では、その水の特性を活かしたスムーズな飲み口のビールが造られたり、果物の産地ではフルーツエールが作られたりと、地元の恵みを存分に活かしたビールが多いのが魅力です。

また、地ビールが広まった90年代当初は、品質にばらつきがあるものも多く、当時の消費者からは「話題性はあるが味のバランスが悪い」という評価を受けることもありました。しかし、その後の技術の向上やクラフトビールブームの影響で、地ビールの品質は飛躍的に向上しています。現在では、全国のブルワリーが高品質なビールを醸造し、多くのビールファンに支持されています。

さらに、近年の地ビールは、地元の食文化と組み合わせて楽しめるようなペアリング提案にも力を入れています。例えば、海産物が豊富な地域では魚介料理と相性の良いビールが開発されたり、日本酒文化が根付く地域では、日本酒酵母を使ったビールが誕生するなど、単なる「地域限定ビール」から、より洗練された「クラフトビール」へと進化しています。

クラフトビールと地ビールの違い

クラフトビールと地ビールは、どちらも小規模な醸造所で造られるビールですが、その定義や目的には違いがあります。特に1990年代に「地ビール」という言葉が広まり、2010年代以降に「クラフトビール」という呼び名が一般化したことで、両者の違いがさらに明確になってきました。ここでは、それぞれの違いを詳しく解説します。

定義の違い

地ビールとクラフトビールの最大の違いは、「何を重視して造られるビールなのか」という点です。

地ビールは、「地域性」 に焦点を当てたビールであり、地域ごとの特産品や水を活かしたビールが多いのが特徴です。1994年の酒税法改正により、小規模ブルワリーが各地に誕生し、地元の観光資源として発展しました。例えば、北海道ならラベンダーやハスカップを使ったビール、愛媛ならミカンを使ったビールなど、その地域の特産品を活かしたビールが数多く造られてきました。

一方、クラフトビールは、「職人のこだわり」や「多様性」 を重視したビールです。地域の特産品を使用する場合もありますが、それ以上に「どんな原料を使い、どんな味わいを作るか」といった造り手の個性が反映されます。また、世界的なビールのスタイルを踏襲しながらも、独自のアレンジを加えたビールが多く、IPAやスタウト、サワービールなど、さまざまなスタイルが楽しめる点が特徴です。

製法や品質の違い

地ビールは、1990年代のブーム時には「とりあえず造ってみたビール」も多く、一部では品質にばらつきが見られました。特に、小規模なブルワリーが急増したことで醸造技術が追いつかず、当時は「値段が高いのに味がいまいち」という印象を持たれることもありました。しかし、現在では醸造技術の向上により、多くの地ビールが高品質なビールへと進化しています。

一方、クラフトビールは、職人が細部にまでこだわり抜いて造るビールであり、最初から品質の高さを重視する傾向があります。使用するホップや麦芽、酵母の種類にもこだわり、発酵や熟成の工程も綿密に管理されているため、味のバランスや風味の奥深さが際立つものが多いです。また、海外のブルワリーとのコラボレーションや、新しい醸造技術の導入など、常に進化し続けるのもクラフトビールの特徴です。

市場の変化と呼び名の変化

1990年代、日本では「地ビールブーム」が起こり、多くの小規模ブルワリーが誕生しました。当初は「地元のビール=地ビール」として広まりましたが、ブームが落ち着くとともに、地ビールの市場は縮小し、全国的に淘汰が進みました。

しかし、2010年代に入ると、アメリカをはじめとした海外のクラフトビール文化の影響を受け、日本でも「クラフトビール」という言葉が浸透し始めました。これにより、従来の「地ビール」と呼ばれていたビールも、「クラフトビール」として再評価されるようになり、市場が再成長を遂げています。現在では、日本のブルワリーも「クラフトビール」という表現を用いることが一般的になり、「地ビール」という言葉は徐々に使われなくなりつつあります。

クラフトビールの市場は今後も拡大が予想されており、新しいブルワリーや個性的なビールが次々と登場しています。日本のクラフトビールは、地ビールの歴史を土台にしながら、さらなる進化を遂げているといえるでしょう。

日本の代表的なクラフトビールと地ビール

日本には、個性豊かなクラフトビールと地ビールが数多く存在します。クラフトビールは、職人のこだわりが詰まったビールとして、全国各地で高品質な銘柄が造られています。一方、地ビールは、地域ごとの特産品や水を活かしたビールが多く、観光地やご当地グルメとともに楽しまれています。ここでは、日本を代表するクラフトビールと地ビールをそれぞれ紹介します。

日本のクラフトビールの代表例

よなよなエール(ヤッホーブルーイング)

よなよなエールは、日本のクラフトビールブームを牽引してきた代表的なビールのひとつです。アメリカンペールエールのスタイルを採用し、フルーティーな香りとモルトの甘み、程よい苦味が特徴です。バランスがよく、クラフトビール初心者にも飲みやすい味わいとなっています。コンビニやスーパーでも手に入りやすく、手軽にクラフトビールを楽しめる点も魅力です。

インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)

インドの青鬼は、IPA(インディア・ペール・エール)スタイルのクラフトビールで、ホップの強烈な苦味と香りが特徴です。アルコール度数も7%と高めで、飲みごたえがあります。IPA好きにはたまらない一杯で、ガツンとくる苦味を楽しみたい人におすすめです。

常陸野ネストビール(木内酒造)

常陸野ネストビールは、茨城県の老舗酒造「木内酒造」が手がけるクラフトビールブランドです。伝統的な日本の醸造技術を活かしながら、ウィートエール(小麦ビール)やセゾン、スタウトなど多彩なスタイルのビールを造っています。特に、ホワイトエールはオレンジピールやコリアンダーが香る爽やかな味わいで、国内外で高い評価を受けています。

日本の地ビールの代表例

道後ビール(愛媛県)

道後ビールは、日本最古の温泉地・道後温泉(愛媛県)で醸造される地ビールです。ピルスナー、アルト、ケルシュ、スタウトの4種類があり、それぞれ個性豊かな味わいを楽しめます。湯上がりに飲む一杯としても人気があり、愛媛の食文化とともに親しまれています。

網走ビール(北海道)

網走ビールは、北海道網走市で造られるユニークな地ビールブランドです。特に有名なのは「流氷ドラフト」で、オホーツク海の流氷を仕込み水として使用し、鮮やかなブルーの見た目が特徴的です。見た目のインパクトだけでなく、爽やかな飲み口も魅力で、観光客に人気があります。その他にも、桜を使ったピンク色のビールや、黒ビールなど、バラエティ豊かなラインナップが揃っています。

ベアレンビール(岩手県)

ベアレンビールは、岩手県盛岡市のブルワリーが手がける地ビールで、ドイツの伝統的なビール製法を取り入れています。クラシックなラガーやアルト、シュバルツなど、ヨーロッパスタイルのビールが特徴で、どれも飲みごたえのあるしっかりとした味わいです。特に、ベアレン クラシックは、麦の風味をしっかり感じられるバランスの良いビールで、多くのビール愛好者に支持されています。

クラフトビールと地ビール、どちらを選ぶべき?

クラフトビールと地ビールは、それぞれ異なる魅力を持っています。どちらが優れているというわけではなく、自分の好みやシチュエーションに合わせて選ぶのがベストです。ここでは、それぞれの特徴を踏まえて、どんな人に向いているのかを紹介します。

こだわりの味を楽しみたいならクラフトビール

クラフトビールは、職人のこだわりが詰まった多様なスタイルのビールを楽しめるのが最大の魅力です。IPA、スタウト、ヴァイツェン、サワービールなど、個性あふれるビールが揃っており、「とにかくいろいろな味を試したい!」という人にぴったりです。

また、クラフトビールはブルワリーごとに個性があり、新しい製法や原料を取り入れたビールも次々と登場しています。そのため、ビール好きの人にとっては、飲むたびに新しい発見があるのも楽しみのひとつです。定番のビールに飽きた人や、新しい味わいを求める人には、クラフトビールがおすすめです。

地元の特産品を楽しみたいなら地ビール

地ビールは、その土地ならではの原料や水を活かしたビールが多いのが特徴です。旅行先でご当地グルメを楽しむのと同じように、その地域の気候や文化を反映したビールを味わうのは、地ビールならではの楽しみ方です。

例えば、北海道ではラベンダーやハスカップを使ったビール、四国では柑橘系の香りを活かしたビール、九州では焼酎酵母を使ったビールなど、地域によって個性的なビールが数多く存在します。観光地のレストランや道の駅で地ビールを見つけたら、ぜひ試してみるのもおすすめです。

また、地ビールは地域に根ざしたブルワリーが手がけていることが多いため、地元の文化や歴史を感じながら楽しめるのも魅力のひとつです。旅行や出張の際には、その土地のビールを味わい、地元の食材とペアリングを楽しむのも良いでしょう。

どちらも楽しむのがベスト

クラフトビールと地ビールは、それぞれ異なる楽しみ方ができるため、どちらか一方を選ぶ必要はありません。クラフトビールの多様な味わいを楽しみつつ、旅行や特別なシーンでは地ビールを味わうなど、シチュエーションに合わせて選ぶのが理想的です。

最近では、地ビールのブルワリーもクラフトビールの技術を取り入れ、多様なビアスタイルを展開することが増えています。そのため、地ビールだからといって一つのスタイルに限られるわけではなく、クラフトビールのように個性的な味わいを楽しめるものも多くなっています。

日常的に飲むビールはクラフトビールで新しい味を開拓し、旅行先では地ビールを楽しむといったスタイルもおすすめです。それぞれの魅力を知りながら、シーンに応じたビール選びをしてみてはいかがでしょうか?

クラフトビールも地ビールも、それぞれの魅力を楽しもう

クラフトビールと地ビールは、どちらも個性豊かで、それぞれに違った楽しみ方があります。クラフトビールは多彩なスタイルや職人のこだわりを味わえるのが魅力で、新しいビールに出会うワクワク感があります。一方、地ビールは地域の特色を活かしたビールが多く、その土地ならではの味わいを堪能できる楽しさがあります。

ビールを選ぶ際に「どちらを飲むべきか」と迷うかもしれませんが、大切なのはその時々のシチュエーションに合わせて楽しむことです。普段の晩酌や特別なイベントにはクラフトビールを、旅行先では地ビールを、というように飲み分けることで、ビールの奥深さをより一層感じられるでしょう。

クラフトビールも地ビールも、日本国内でますます発展しており、今後も新しいスタイルや味わいが誕生していくはずです。ぜひさまざまなビールを試しながら、自分にぴったりの一杯を見つけてみてください。